レシパーファイル vol.2 鳴瀬直幸さん「手描き友禅染めをベースに 現在にマッチする〝染色工芸品〟を残したい」

丁寧に仕事をこなし
時流に合わせSNSも使いこなす

鳴瀬直幸

業界の動向にも左右されず、道を切り開いてきた鳴瀬さん。独立して二十五年。辞めたいと思ったこと、大変だと感じたことはなかったのだろうか、聞いてみた。
「今が一番大変ですよ」と笑う。
「すべて自分でやっていますからね。売り先を考えたり、交通費など資金面をどうまわしていくか、大変ですよね」

大変と言いながらも、鳴瀬さんの表情からは笑顔が絶えない。きちんとやっていればまわりは見ていてくれる、そしてアンテナを張って周囲に気を配っていると声がかかると話す。
百貨店の催事出展も染色の組合関連の方から声をかけてもらったそう。交流会ではワークショップ講師の声がかかった。人とのつながりで仕事が広がっている様子から、鳴瀬さんの人柄や仕事への丁寧な姿勢が浮かび上がってくるようだ。

「百貨店の展示販売に来てくださって住所を頂いた方には案内状をまた出したりしますね。
一方で販売サイトやフェイスブックなどもしっかりやっていかないとって思ってます。今はネットなしには無理ですからね」
職人でありながら、営業活動もこなし、57歳にしてフェイスブックなども使いこなしている鳴瀬さんには頭が下がる思いがする。
「『和装3割:雑貨など7割』で安定した製造・販売を続けていくことが目標ですね」
今後の展望をそう語る鳴瀬さん。次にまた訪れても、緑色ののれんが風にゆれ、笑顔で新たな作品を見せてくれる、そんな気がした。

鳴瀬直幸

「染色工房 鳴瀬」を構える染色作家。手描き友禅染めの技法をベースに和装だけでなく雑貨、インテリアなど幅広い作品を一貫制作している。百貨店の催事イベントやネットで販売するとともに、体験ワークショップ講師もつとめる。商品・作品、展示会や個展情報はこちら⇒https://www.facebook.com/naruse.naoyuki

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この記事の著者

ゆうな春瀬編集・ライター

雑誌・広告などの編集&ライターです。インタビュー記事、お店・会社紹介記事などたくさん書かせてもらい、16年目になりました。ものづくり作家さんや素敵なお店をどんどん取材して、記事をアップしていきます♪

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