生きていくうえでの心の支えを 差し出せるアーティストになりたい

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〝アートは心でするもんだ〟――先生の教え

陶芸を始めて7年半という三好さん。以前、通っていた教室では、ろくろに土を据える〝芯出し〟という工程がうまくできず、悔しい思いをしていた。練習量をもっと増やせば……との思いから、勤務先近くの現在の教室を見学に行った。〝時間無制限(鍵渡し)〟という点に魅かれた。まだ焼かれていない作品を見た時「レベルが高い! 普通の陶芸教室じゃあないな」と、わくわくして入ったそう。

教室に入り、基礎工程を学ぶ中で、課題だった芯出しもクリア。半年後には二人展を開催し、ぽわん、ぽよんなど〝音を形にする〟をテーマに、そばちょこを作成したという。

「『他人に対する思いの表れがアートの原点なんだよ。アートは技術でない、心でするもんだ』そんな風に、先生に教わりました。新鮮でしたね」

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基礎工程でも、展覧会向けに制作していたという。〝基礎の段階でも他人に見てもらうことを意識して作るのだなあ〟と、興味津々で続きを聞いた。

展覧会では〝作家が意図する気分になってもらう〟ことを大切に考え、五感で味わってもらえるよう様々な工夫があるようだ。最初の個展〝おりなすあや〟では、アロマポットを50個ほど制作した。ぽってりと丸みを帯び、やさしいフォルムとグリーンに心がほっこりするような、和のアロマポット。香りはお客さんに選んでもらうなど、日によって変える。そうして作り手とお客さんが交わっていく。最後に、もてなし料理を用意するのが、所属する〝庄五郎一門〟のこだわり。三好さんは香りを邪魔しないようにと、いろんな国のお水でもてなしたそう。

「香りは記憶にダイレクトにつながりますよね。人の思いは時間が経つうちに薄れるけれど、言葉や行動でしるしをうつ、残していけると思っているんです」

作品そのものを見せるのではなく、作品を媒体にしてお客さんとコミュニケーションを生み出していく。そこが先生から受け継いだ、三好さんの大切なこだわりだ。

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 応援してくれる気持ちを大切に

陶芸を続けていて嬉しいこと。ひとつは、展覧会の作品ができあがった瞬間だという。「良かった間に合った、これで会場作れるぞ」とほっとすると話してくれる。そして、何よりお客さんが応援してくれることが嬉しいそうだ。フィレンツェで、掛け花入れの個展をした時のこと。

「イタリア人の画家が、熱心に見ていろいろ質問してくれました。作品について説明すると『一本の花のためだけのものなのね』って伝わりました。その後、絵葉書をもらってメールを送ったところ『お花を一本、届けに行ったのよ。あなたに会えなかったけど、娘みたいに応援してるわ』って返事がきたんです。そういう、応援してくれる思いを大切にしていきたいと思っています」

印象深いエピソードを嬉しそうに懐かしそうに語ってくれる三好さん。けれどここまで来るには不安な思いもあったようだ

「1~2回目の個展の時はこわかったですね。お客さんにどう思われるかなとか、人来るかなとか考えてました。でも、先生は逃げ腰だと叱るんですよ、ベストを尽くさないのはダメって。一人でも来たら大事にしなさいよって言ってくれました」

初めての展覧会をやる時には不安で半年悩んだが、なかなかできない体験だと思い、チャレンジした。そして6年、2015年初夏の今では、個展・グループ展合わせ、十回作品展を開催、イタリアでも展示するなど活躍を続けている。

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